猫ちゃんの肝臓の病気にご用心

シニア猫さんになると、完全室内だけで暮らしている場合は、当院では、3種混合のワクチン接種よりも、ワクチンの抗体検査をおすすめしております。そして、採血するので、ついでに健康チェックで生化学検査をしておりますが、

そのときに、肝臓の数値が高いといわれたら、猫ちゃんの場合は、ちょっと要注意なのです。(イヌならよくあることなんですけどね)

なぜなら、

肝臓の数値、というのは、肝臓の細胞の中の酵素をみているので、本来、血液中にはないわけなのです、それが基準値よりも高いというのは

肝臓にダメージが与えられ、肝臓の細胞が壊れている(壊死)、あるいは、肝臓の細胞がふくらんで、中の酵素が漏れている、ということを示唆しています(肝機能検査ではありません、肝機能不全の末期になると、逆に肝臓の酵素の数値は正常値か低い)。

犬よりも猫ちゃんのほうが、やば、、っていう理由は

半減期の違いです。

①ALT

猫ちゃんのALTの半減期は6時間です。つまり、血液検査をしてALTが高かったら、直近で肝臓がダメージをうけている、しかも、たぶん、慢性的に高い。(犬は75時間)

②AST

ASTは、半減期が77分、これが高いということは、慢性的に高い。猫ちゃんの骨肉腫は少ないので、肝臓だろうと推測されます。(犬は12時間)

③ALP 

 半減期は6時間(犬は70時間)です。これがあがっていたら、猫ちゃんの肝臓になにかあるって思わないといけません

ALT,ALP、GGTが高い場合、となると

一番多いのは、胆管肝炎 といわれています。

気を付けないといけませんね。投薬、、たいへんです、が、いまはいろいろいいツールがでていますので、愛猫ちゃんのために、いろいろ工夫してあげてください