慢性肝炎になりやすい犬種

肝臓に炎症が慢性的におきる病気(慢性肝炎)になりやすい犬種がいます

・ベドリントンテリア(銅関連性)

・ラブラドールリトリバー

・ウエステイ

・ダルメシアン

・ドーベルマン

が多いといわれています。その次に多いといわれているのが

・ミニチュアシュナウザー、ケアンテリア、グレートデン、サモエド、ジャーマンシェパード、ヨーキー、ジャックラッセルテリア、スタンダードプードル

2)原因は

・遺伝や免疫

・薬物(抗てんかん薬のフェノバールなど)

・毒物(銅など)

・感染 レプトスピラ、リケッチア、原虫、バルトネラ 

3)症状

無症状だけど、よく水を飲む(多飲多尿)、嘔吐下痢などの消化器症状、

歯肉の出血、下血、元気がなくなる、歩かない、

進行すると食欲がなくなり、腹水がたまる、アンモニアが体にたまる肝性脳症

4)検査

 血液検査で肝臓の酵素の測定(進行すると肝硬変になるので、数値は上がらない)

 血液検査で総胆汁酸の測定

確定診断は、肝臓に針をさして組織を調べる生検

残念ながら侵襲性もなく、痛くもない、エコー検査では、肝臓そのものの異常がみつかりにくく、感度も特異性も低いので、確定診断は、肝臓に針刺さないといけないんですよね。でも、肝臓が悪いと出血しやすく止血しにくいので、合併症は出血、1.2-3.3%といわれています。生検方法は、腹腔鏡下で肝臓の生検、か、開腹して肝臓に針を刺すのが推奨されています(もちろん、全身麻酔)

肝臓が悪いと、麻酔リスクもあるのでそこで開腹して肝臓に針をささないとわからない、、うーーん、迷いますよね。(当院では、行っておりません。)

5)治療

炎症、、、だから、やっぱり、万能薬、ステロイドの投与なんです

プレドニゾロンは、慢性肝炎に対する免疫抑制治療薬の第一選択薬として有用といわれています。

ステロイド、、有害反応もありますし、これも悩みますよね。大型犬だと、半端ない多飲多尿になりますからねえ、、トイレがたいへん、室内犬でトイレを覚えていてくれたのでしたらいいですが、絶対に外でしかしないわんちゃんだと、夜中も散歩につれていかないといけない、庭でしてくれたらいいけど、いやいや、たいへんなことです。

6)食事療法

タンパク制限や脂質制限はしなくてもいいといわれています。(アンモニアが高くなっていたらタンパク制限します)

7)予後

慢性肝炎と診断されると、生存期間は、561日±268日

肝硬変になってしまうと、生存期間は23±23

 

いずれにしても、家族の一員が病気になると、ほんとうに心配がつきない、健康は宝ですよね。